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【アマプラ映画鑑賞録】#001『必殺!恐竜神父』

【What's アマプラ映画鑑賞録?】

Amazon prime videoで無料で見ることのできる、マイナー気味の映画の鑑賞記録のことである!

みんなが知ってる作品を記事にしてもおもんないしね

 

第1回目の映画は『必殺!恐竜神父』。

 

神父×恐竜×ニンジャ 正気度SOS

あらすじ

敬虔な牧師ダグは自動車の爆発事故で両親を失い、傷心の旅で中国を訪れる。

そこで忍者に追われる謎の女性から牙の化石を受け取るが、その牙は人間を恐竜に変身させる力を秘めていた。

強大な力を得たダグは娼婦キャロルと協力し街のために悪人退治を始めることとなる。

彼らは悪党たちとの戦いの末にチャイニーズ・ニンジャ軍団が全ての黒幕だと知る事になるが…。

URL

字幕:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0919Q18JC/ref=atv_dp_share_cu_r

こんな人にオススメ!

  • このタイトルとあらすじを見てなお血が騒ぐ心からのクソ映画ファン
  • 将来映画製作に携わりたいと考えている人
  • あまりにも暇を持て余した神々

おすすめ度

普通の映画ファン:★☆☆☆☆

クソ映画ファン:★★★★★

感想

見よ、この完成されたタイトルとあらすじを。凄いだろう。

情報を認識した脳が即座にサイレンを掻き鳴らす。こいつはやべぇぞ、と。

これ以上進むんじゃねえ、今すぐここで止まれと警告音が鳴り響く。

けれどもどうして人間はかくも強欲なのか、鳴り散らされる警告音が大きければ大きいほどに、深淵が放つ危険という魅惑に引き寄せられてしまうのだ――。

 

はっきり述べます。これはクソ映画です。

もう一度言います、これはクソ映画です。

一目瞭然でしょう。まずタイトルがヤバい。爆弾にくそデカデカと「これは核爆弾だよ!!」って書いてあるものですよ。

タイトルがヤバければあらすじもヤバい。恐竜に変身、悪人退治まではまだなんとか正気を保てるというものだが、しかしその下に記されたるは「チャイニーズ・ニンジャ軍団」というスーパーヘビー級のストレート。

神父が恐竜に変身するってだけで正直脳が爆裂しそうなのにそこにニンジャまでぶち込んでくんじゃねえよ!!FATALITYトドメの一撃なんだよそれは!!

 

という具合に、観る前から既に満身創痍になってしまうこの映画。

だが当然ながらこれはまだ深淵を覗いているだけの段階。

このものっそい深淵クソ映画は聖人君子がごとき良心を持っている。タイトルとあらすじで本作の危険性を懇切丁寧に教えてくれるだけでなく、如何にクソな内容であるかが、なんと1分半で叩き込まれる分かってしまうのだ。

試しにちょっと潜ってみよう。大丈夫、危ないと思ったらすぐに引き返せるから。

という訳で視聴してみる。冒頭では、主人公のダグが車で待つ両親の元へ向かうが、車ごと両親が爆破されるという悲劇が繰り広げられる。

…………だが。

 

VFX: Car on fire ――特殊効果:炎上する車」

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文だけじゃ分からないよ、というそこのあなた。違うんです。

書いてあることがそのまま映像に表示されるのです。原文ママというやつです。

あろうことかこの映画、爆発しない。

いや正確には爆発してるのだが、映像には「VFX: Car on fire」の文章のみが表示されているのだ。そして慟哭する主人公。いくら彼が泣き叫べど、そこに映し出されるのは「VFX: Car on fire」の狂気じみた現実。

 

頭がおかしくなるだろこんなの……!!

これが1分30秒で繰り広げられるというのだから、如何にこの映画が危険であるかが身にしみて理解できることだろう。言ったでしょう?すぐに引き返せるって。

これを目の当たりにして「なんだよこれ……」と絶句し呆れ返っているあなた。こんなん今すぐ閉じよう。常人にとってこれは懲役1時間10分なのです。自らを苦しめる必要はありません。別の楽しいことをしましょう。

そしてこれを目撃して「なんだこれwwwwwwww」と爆笑したあなた。

適性がありますね。良いですよ視聴を続けましょう。この先もっと楽しくなります。狂人にとってこれはつかの間の安らぎなのです。自らの心に潤いを与えましょう。

 

という訳で選別が終わったので刑罰は執行される。

両親を失うという喜劇悲劇を経験した彼は心に安らぎを求め、旅に出ることにした。

どこか遠くの地へ。たどり着いたのは中国。

中国です。これは何もおかしくない。おかしいのは、中国のCの字すら感じさせないどこにでもありそうな林の映像の方なのだ。

せめて竹林であればまだ中国らしさは少しは出ていただろうに、それすらない。あたり一面なんかの樹木、樹木、そして樹木。どこだよここ。画面にはデカデカと「CHINA」の文字が踊ってるけどほんとかよ。ここ日本じゃねえの?

そしてダグはポツリと呟く、「中国は東にあるのか!」と。……何も言うまいよ。何も言うまい。

その後はまぁ大体あらすじの通りで、恐竜への変身アイテムをゲットするし、すごい忍者忍者してる奴が現れる。

この忍者もまた良い味を出してる。だって本当にすごい忍者なんだもん。イメージした通りの姿の忍者が出てくる。やっぱここ中国じゃなくて日本だろ。

恐竜の力を得たダグはしかし気絶、いつの間にかアメリカに帰宅しているというとんでもワープをさらっと披露しつつ、恐竜パワーで両親の仇を殺害。

聖職者であるが故に自らの行いに苦悩するダグですが、たまたま助けたヒロイン・キャロルの導きもあり、表向きは聖職者しかし裏の顔は悪人を恐竜で殺すダークヒーローへと転身を遂げたのでした。

設定だけ見ればデアデビルみたいで割と美味しいんだけどねぇ……何せ絵面が、絵面がショボい……。軽快な音楽をバックにヒーロー生活がダイジェストで送られるのだけど、悪人退治シーンあんま無い……。しかも夜の闇に紛れるとかではなく、昼間から堂々と殺しとる……。というかなんか筋トレシーンめっちゃある……恐竜パワーで戦うのになんでそんな生身の体鍛えるん……?意味あるん……?ある。

 

この後の展開はざっくり言えばこう。

  • 英語で話す弟子に対し何故か中国語で返答するマスターのチェン!しかし意思疎通が完璧に取れている摩訶不思議なチャイニーズ・ニンジャ組織がダグを狙う!弟子の高笑いがあまりにもヘタクソすぎる!!トレーニングしてる一般ニンジャくんは腰の入っていない正拳突きだけをひたすら繰り返す!なんか意味あるのかそれ!
  • そのダグは聖職者であって生殖者ではないのでキャロルとの交流は禁じられているのだが、それが神父様に見つかってしまう!そして悪人退治もバレる!当然叱られる!しかしそれに対し聖書引用によるレスバを仕掛けるダグ!でも神父様に真っ向から敗北する!

  • 苦悩するダグ!脳裏に浮かぶは両親との思い出!ご飯のシーンは全員なんかすげえ爆笑してるのが気になりすぎて話してる内容頭に入ってこねえよ!!
  • とりあえず神父の導きで悪魔祓いを受けることに!エクソシストのオカマ参戦!!ここまで来たらオカマの一人や二人くらい大したことねえな!!
  • ここで何故か始まる神父の過去回想!率直に言うとこのシーンが後の展開に影響することは一切ないのですっ飛ばしてもらって全然構わないぞ!!
  • 時は戻り現代!エクソシストのまじないによりダグの恐竜パワーが暴走!腕だけが恐竜のものになり神父が餌食に!神父……死んだのか……?と思ったらニンジャ組織に救われていた!「ウチらめっちゃ違法薬物使ってキリスト教に改宗させるのが目的やねん、お前も協力してくれんか?」という下手くそすぎる勧誘を断ると神父はすぐにニンジャに殺される!現実は非情である!ちなみにオカマはもう出てこない!
  • ダグとキャロルの仲は深まり、遂に一線を越えて生殖者へ!ここの映像だけ他と比べても異様なくらいに気合いが入っている会心の出来だぞ!なんでここに全力を尽くしたのか皆目見当もつかない!!
  • そうして迎えた朝チュンにニンジャ3人が襲撃!きっっっっっったねえにも程がある不意打ちを仕掛けるニンジャだがダグとキャロルにボコボコにされる!筋トレしまくった成果はここで発揮されるのだ!キャロルが強い理由は知らないぞ!!なんで強いんだお前!!
  • ニンジャから情報を得た2人は遂にアジトへカチコミを仕掛ける!迎え撃つは5,6人くらいのニンジャとチェンの弟子!構えるダグの手にはヌンチャク!なんでだ!!
  • そして明かされる弟子の正体!なんと彼は弟のサムだった!ダグの回想シーンにも実はダグはいた!怖いくらい爆笑し続ける家族のちょっと後ろで呆然と佇んでいたサム!ダグを車で見送る両親、その後部座席に水曜日のダウンタウンのドッキリが如くヌッと出現するサム!サムは確かにそこにいたのだ!
  • ダグの静止も聞かず、兄弟同士の悲しい死闘は始まってしまった!サムは持ってきた先祖の剣を使わず、素手で兄貴を倒すことを宣言する!唐突に出てきたけどなんだその武器!!まあいいや最終決戦の開始だ!ちなみにここでもやっぱりキャロルは無双する!!なんでそんなに強いんだお前!!
  • 兄弟の闘いはクライマックスへ!やっぱり素手ではなく剣で兄を殺そうとするサム!しかしダグが念じると剣は独りでに彼の手に飛び込んでいく!なんだその武器!!そしてそれを躊躇いなく実の弟にぶっ刺すダグ!!正当防衛かもしれないけどお前慈悲とか無いんか!?
  • 一方のカラテが致命的に足りてないニンジャくんをボコるキャロル!彼女の前に現れるは巨漢のニンジャ・ゴリアテ!果敢に挑むキャロルだったが、ゴリアテのかなり大振りな斬撃をかわせずモロに食らってしまう!
  • 瀕死のキャロルとダグは最期の会話をかわす!剣でかなり斬られたキャロルだが割と長々と喋る!そしてその言葉に思わず涙ぐむニンジャくんたち!なんでだ!??そしていよいよ別れのとき!倒れ伏すキャロル!慟哭するダグ!感極まって泣き、ニンジャくんと抱擁するゴリアテ!!なんでだ?!?!?!?サイコパスか!!?!?!?!??
  • ダグの怒りは頂点へ!遂に恐竜の全身像が露わとなる!しかし爆発できないくらいに予算が絶望的に足りていないのがこの映画!披露された恐竜は当然CGなどではなく直立の着ぐるみ姿!しかもクオリティが学芸会レベルだ!サイズは人間大なのに姿形はがっつりティラノサウルスなのでお世辞にも全く強そうには見えない!!運動能力も明らかに低下してる!!しかし無双する恐竜ダグ!忍者忍者してる忍者を余りにも低クオリティな恐竜が蹴散らすこのシーンはカオスさが極まってると言っても過言じゃないぞ!!
  • ニンジャが全滅したところに現れるチェン!毒を塗った弓矢という忍者関係なく普通に強い武器でダグを絶体絶命の危機に陥れる!
  • だがダグには起死回生の6文字があった!それは「必殺!恐竜拳」だ!アツいタイトル回収だ!そうかなあ。かつて神父に危害を加えてしまった時のように、腕だけを恐竜化してチェンの首をもぎ取り、それを高々と掲げる!しかしそれは悲しいくらいにクオリティの低い、やっつけ仕事みたいな人形の頭!!
  • そして挟まれる「暴力を無くすことだけが、世界平和を達成する唯一の道である」というガンジーの言葉!なんのメッセージとアピールなんだこれは!!
  • 戦いは終わり、舞台は病院へ。なんかめっちゃタバコ吸っとる謎のお医者さんが唐突に出てきて「キャロルは実はもう大丈夫」と。助かるんかいお前!!駆けつけたダグにキャロルは「元気よ」と耳打ち。そしてデカデカと画面に表示される「SHE'S FINE ”彼女は元気です”」の文字。……そうかよ!!!!
  • チェンとの戦いは終わったが、しかしニンジャ組織の脅威は去っていない。ヨーロッパや中国など、まだまだ戦わねばならない場所があるようだ。ニンジャが滅びるその時まで、ダグの戦いは終わらない。

 

という流れでした。1から100までまぁツッコミどころしかない。まともに観てたら精神ぶっ壊れるわこんなん。筆者もひたすら爆笑しながらツッコミして観てた。

ただひたすらにつまんない映画とかではなく、ツッコミができる面白さが用意されてるのは評価点だと思う。紛れもないクソ映画だけど素直に面白かった。

こんな感じのヤバイ映画なので、ポップコーンとコーラを片手にツッコミながら鑑賞する、或いは同時再生などで不特定多数のユーザーとワイワイ言い合いながら鑑賞することを強くオススメします。

特に同時再生なんかはかなり盛り上がると思う。スーパーZ級映画が最も活躍する舞台だしね。

ちなみにこんな人にオススメの欄で映画製作に携わりたい人って書いたのはミスではない。上記の通り何もかもが間違ってる映画なので、反面教師としてはこれ以上ないくらいの傑物だったりするのだ。

これを観て「あーここはこういう風に変更しといた方が一般受けは良くなるよなー」って感じに学んでいこう。Z級映画を作りたいと志してるなら……まぁ面白いZ級映画はこうやって作るんだよと。どのみち良い教材になるだろう。

以上、『必殺!恐竜神父』の記録でした。

エッジが効きすぎてる映画なので好きな人にはたまらない作品となっているが、合わない人はそれもう壊滅的に合わないので注意しよう!星4だからといって安直に触れると後悔するかもしれないぞ!1時間10分は貴重だ!!

 

アマプラ映画鑑賞録では「これ気になってるから観てどんな感じだったか教えてほしい」といった要望も受け付けています。ご気軽にクソ映画を観ろとお申し付けください。とりあえず観て鑑賞記録を書いときたいと思います。