【無課金遊楽録】クローバーシアター編第14回【挫折を超えて】
~前回までのあらすじ~
イベントから
解放されて自由になったと思ったら
またイベントだった。
をもち。
次なる舞台は「少女たちの武闘会」。再び訪れる地獄に意気込むOmochiちゃん団長。
しかし待っていたのは地獄すら生温い阿鼻叫喚の地だったようで……?
あの日
3月4日、前回のイベントから1週間ほどインターバルを置いて始まった2回目のイベント「少女たちの武闘会」。
今回は新たにガチャに恒常追加される翼族のSSRキャラ・ラスグレスをメインにしたイベント。
あらすじをざっくり述べると、
「結婚式を間近に控えた夫婦を祝うイベントを劇団クローバーシアターが立ち上げたところ、なんか色々あって4~5人で1チームの格闘大会になっちゃった上にそこへ戦士に憧れる翼族の異端少女・ラスグレスが参加を決める。こうなったらやるしかねえ闘いだ!アイツらやコイツらも参戦だ!ええい全選手入場!!なんか団長も選手にカウントされてるけど関係ねえ!待ったなしでレディーファイッ!!」
……みたいな感じのストーリーが繰り広げられる。
グラップラー刃牙の最大トーナメント編を読んでシナリオを書いたかと思わんばかりの迫真の選手入場に伴う解説シーンは必見だ。
サイドイベントではメインストーリーでの活躍の機会に恵まれなかったキャラが多数登場して活き活きと動くのがプレイヤー的には中々粋な計らいではないかと思う。前回に続き今回も良質なクオリティのシナリオに仕上がっていたと断言していいだろう。
そんな当イベントのストーリーを大いに楽しみながら終わらせ、いよいよ意気揚々とハードモードに挑んだ。
「冬の雪、夏の夢」ではクリアできるかできないかギリギリのラインでの強敵が立ちふさがり、あれこれ手を変え品を変えて挑戦したのは良い思い出だ。今回はどのような敵が待ち受けるのか。
強敵を前に心を躍らせる筆者。その前に広がっていたのは……
――阿鼻叫喚地獄だった。
楽しむ余地は一切残されていない、混じりっ気なし純度100%の殺意が襲いかかる正真正銘の、地獄。
言ってしまおう。
今回のイベントは筆者の持つ面子では完全制覇は不可能だ。ありとあらゆる工夫をこらし策を施したとしても絶対にクリアはできない。
最終ボスの4つも前、「失控」を前に筆者の挑戦は終わりを迎えた。
なにせ敵のステータスが世界樹終盤で出てくるキャラのそれに匹敵するレベルなのだ。
そいつらは神器があったから処理できたものだが、当イベントにそんな救済措置は存在しない。武闘会らしく真っ向から立ち向かい、ねじ伏せる必要がある。
それを実現するには、筆者の今の面子ではあまりにも力量が足りていなかったのだ。
これまでどんなに苛烈な攻撃を受け続けても滅多に沈むことの無かったベヒモスの不沈艦が如き鉄壁の守りは容易く蹂躙され、
高い殲滅力を誇り、これまで幾度となく不可能と思われた守備に穴を空けてチームに勝利の希望を与えてきたティターニアが戦果を上げる事なく力尽き、
ベヒモスに追随する堅牢な防御力を持つ、もうひとりの不沈艦たるイリスの圧倒的な硬さもまるで意に介さず突破され、
そしてヒーラーふたりが生き残った。
戦闘力と引き換えに高いサポート能力を授かった彼女たちに戦う力など残されているはずもなく、ひとり、
またひとりと狩られ、呆気なく我がチームは全滅した。
現在行使できる最強の戦力が敵を一人とて倒すこともできず全滅した。
敵チームの破滅的破壊力の前にはベヒモスやイリスの防御力など藁の楯同然、ヒーラー二人の回復力もまるで意味を成さなかった。ティターニアの攻撃力も敵の守りを崩すには至らない。
絶対的な力量不足をまじまじと突きつけられる。
何が足りていないかといえば、思い当たることは山ほどある。キャラの星やスキルレベル、専用武器や装備の強化値、宝石のランク、劇照の+値……いくらでも思いつく。
これまで筆者は苦戦こそすれど、打ち勝てなかったことはなかった。一度敗北を喫した相手にも策を弄することで勝利を収めてきたのだ。
偏にそれは「なんとかなる範囲内」の敵だったからだ。星が足りていなくても、装備の強化が甘くても、専用武器の強化値が低くても、なんとかなる敵ばかりだった。
しかし今回は違う。
一切の甘えが許されない。ひとつでも舐めたポイントがあれば、彼奴らはそこを突いて破壊の限りを尽くしてくる。「なんとかなる」敵ではない。「どうしようもない」敵なのだ。
それ故、筆者ではクリアすることは不可能なのだ。いくら小細工を仕掛けてれも通用はしない。
毒殺殺法も。
パーセンテージ殺法も。
一切が通用しない。
甘いからだ。キャラの強化が甘いから、何も通用しない。
ここに希望は断たれた。
筆者はこのゲームで初めて挫折した。いくら挑戦しても全くクリアの兆しが見えず、どころかその度に攻略不可能の現実を突きつけられる敵を前に、挫折した。
そもそも、だ。
このようなえげつない難易度というのはやり込んでいるプレイヤーをターゲットにしたエンドコンテンツなどで披露するものであって、一介のサイドイベントで用いるものではないないのではないだろうか。
確かにこれまでのクローバーシアターのコンテンツは、筆者のような甘っちょろい育成をしているプレイヤーでもほぼ全て攻略できる程度の難易度に留まっていた。あえて汚い言葉を使って表現するが「温い」と言っていい。
そのような低難易度が続いていてはプレイヤーもキャラの育成に精力的にはならず、ゲームとしては良くない空気が漂うことだろう。
そのマンネリとも取れる空気を打破するためにこのような高難易度に設定したのかもしれないが、しかし些かやり過ぎではなかろうか。
法定速度を守って運転していた車が突然時速180kmで爆走し始めるが如き急加速っぷりだ。そんなもの付いていける訳がない。
段階を踏んでいないのだ。徐々に難易度を上げるではなく、いきなり超高難易度をぶつけてくる。良心の欠片も見えやしない。
いきなりこんな高難易度にして面白いかと言われれば、否だ。レベルこそ上げやすい当ゲームだが、専用武器やスキルレベルの強化、装備収集などはまだ不親切な部分が多い。そこを改善しないでこんなヘビーユーザーをターゲットにした難易度設定のイベントを開くなど言語道断だろう。
一見すると倒せそうに無い敵も、劇照やキャラを工夫することで倒すことができることがこのゲームの面白いところだと筆者は思っている。
しかし今回は違う。工夫するしない以前に限界まで育てきっているかが問われるのだ。
そこで弾かれたユーザーには楽しむ余地は残されていない。
なんというか、非常に残念である。
……。
一銭も払ってねえやつがなんか言ってんな?
そもそもこれはハードモードなので難しいのは当然なのだ。
むしろ「クリアできるもんならしてみろや」という幻萌からの挑戦状と言ってもいい。それを拾う権利があるのはきちんとお金を払ってしっかりキャラを強化したユーザーなのだ。無銭飲食を続けてる奴が挑戦状を拾う権利も、難易度に対してとやかく言う筋合いも、そんなものはどこにもない。
最後までクリアしたところで褒美として貰えるのはイベントで使える1600ポイント、ただのそれだけである。無理にクリアする必要などない。
肝であるストーリーはノーマルをクリアするだけで全て閲覧できるし、クリアで貰えるポイントも低難易度・高難易度ともに同じ量だ。
と考えればハードモード後半は完全に腕試しモードであり、むしろそれは温い環境の中でも満足することなく来たるべき強敵に向けて鍛えに鍛えまくった猛者たちへのご褒美であろう。
たまたまなんか勝ち続けられたせいで勘違いしちゃった筆者がぶーつくさ文句を言っているが、完全な筋違いだろう。
繰り返すがハードモードは難しいからハードモードなのだ!無課金プレイヤーでも完全制覇できた前回が温かっただけなのだ!甘ったれたやつが良い思いをできるほど、この世界は甘くはないのだ!辛いところもあるのだ!
そういうことに、する!
第2の阿鼻叫喚地獄
ということでハードモードのクリアはすっぱり諦め、筆者はポイント収集に励むことにした。
今回も前回同様にイベント限定ミッションが用意されており、ドロップで確保したポイントの総獲得量に応じてミッションが達成されていく。最終ラインのミッションをクリアすると限定劇照が貰えるので是非とも達成したいところ。
「冬夏」の最終ラインは7万だったが、今回はというと……。
あびゃあ。
11万……?なんか増えてないですか?4万ほど、増えてないですか…?
それもそのはず、今回はステージクリアで獲得できるポイントの量がノーマルで96、ハードで192と大幅に増えているのだ。
したがってミッションの最終ラインも上昇したというわけだ。やはり辛い。からいぜ。
そしてそれはイベントの限定ショップにも適応されている。
今回も豪華景品がずらりと並んでいる。
いるが……心なしか物価が上がっている。インフレが起こっている。
気のせいか…?いや、やはり値上がりしているような……?
試しに計算してみる。前回は全ての景品を交換するのに169965ポイントが求められた。
そして今回は……出ました!
276125!
……?
27万……?にじゅっ…27万…??
……。
…………。
……………………。
🤪
多分これが本当の地獄だと思いマス……Omochiちゃん団長、頑張るマス……。
限定ミッションでもそこそこの量が貰えるので……ハイ……頑張るマス……。
折れてばっかじゃいられないので……ハイ……やったるマス!
やってやらぁよぉ!せめてこれくらいはやったらぁよぉ!!
地獄を超えた地獄の先に待っていたのは阿鼻叫喚すらヌルい無間地獄。
途方も無い数字を前に、Omochiちゃん団長が取った決断とは。
鳥籠の中から抜け出した小鳥に待ち受けていたのは、野生の洗礼かそれとも人類の祝福か――。
←To be continued…